アンスリウムの育て方は、難しそうに見えて
基礎知識と、いくつかのポイントを押さえることで
アンスリウムへの理解が深まります。
本記事では、私の実体験を軸に
海外の園芸家の知見や実例、
そして日本の環境にあわせた管理方法をもとに
“アンスリウムの育て方” をわかりやすくまとめました。
初心者はもちろん、園芸経験のある方も大歓迎です。
興味のある方はそのままスクロールを続けてください。
アンスリウムを育てる前に知っておくべき基礎知識
アンスリウム育成は用土や肥料配合のテクニックを理解したとしても、美しく育ってくれるとは限りません。
開花期、受粉、交配とスムーズに進むのに、基礎知識が大きなサポートになります。
まずは前提知識として、原産地の情報と、アンスリウムを含むサトイモ科について確認していきましょう。
原産地(中南米の熱帯雨林)

アンスリウムはたくさんの種類がありますが、
原種の原産地は 中南米の熱帯雨林です。
主に コロンビアやエクアドル に分布し、
現地では森林の中で野生のアンスリウムも見られるそうです。
これらの地域は年間を通して 高温多湿、
そして植物が豊かに育つ日陰環境が特徴です。
アンスリウムはまさにこの環境に適応した植物で、
- 木漏れ日の届く明るい日陰
- 湿った落ち葉や朽木の積もった地表
- 樹木の幹に根を張る着生環境
といった、いわゆる“熱帯雨林らしい場所”を好んで自生しています。
「サトイモ科」の植物
アンスリウムは、観葉植物として人気のたかい
サトイモ科(Araceae)に属する植物 です。
身近なところでは、
- モンステラ
- フィロデンドロン
- ポトス
- スキンダプサス
- アロカシア
なども同じサトイモ科の仲間です。
いずれも「葉が大きい」「空気中の湿度が大好き」など、共通点があります。
アンスリウムも例外ではなく、
本来は樹木の幹や地表の落ち葉の上など、
通気性・湿度のある環境で根を張る“着生気質” を持っています。
そのため、一般的な培養土よりも
水はけの良い、通気性の高い用土を好むのが大きな特徴です。
▼サトイモ科の植物については以下の記事で詳しく解説しています。
補足:どっちのアンスリウム?(開花タイプ/葉物タイプ)
このサイト(https://anthurium-japan.com)では
葉を楽しむタイプのアンスリウムの情報発信をしています。
✖こちらではありません
↓ ↓ ↓

葉を楽しむタイプ(クラリネルビウム・ドラヤキなど)

近年人気が急上昇している“葉物アンスリウム”。
- 植物好きに人気の高級系アンスリウム
- 暑さ・寒さに弱く、土中の管理がややシビア
- 根が繊細で、用土の通気性が特に重要
- コレクター性が高く、品種も多い
生育環境が整うと、
葉が一気に大きく育ち、開花までスムーズに進めます。
また、アンスリウムは交配が盛んにおこなわれており、
新しい品種に名前を付けて取引している
コレクター(ブリーダー)もたくさんいます。
アンスリウムが好む環境のセットアップ

アンスリウムは環境が整えば屋外や室内の窓際でも育ちます。
しかし最近の日本では夏は酷暑、冬はしっかり寒いため、
アンスリウムにとって少々居心地の悪い環境となります。
ここでは、アンスリウムを年間通して成長させるための
生育環境について考え方を含めて解説します。
適切なスペース
屋外で生育させる:
15℃を切らない環境が必要です。
日本だと沖縄のみ適した環境です。
ただし冬は一時的に10-15℃を行き来するため、
本島ではなく、宮古島などの離島であれば冬でも育ちます。
夏場の直射日光はスグ葉焼けを起こすため、
遮光は必須。
室内で生育させる:
15℃を切らない環境を維持すると
年間を通して育てることが出来ます。
理想は20度以上ですが。
コンセントがあり、
適度に換気できる場所を選びましょう。
よく換気されている環境は、
カビや病気を防ぐためにも不可欠です。
また、多くのコレクターたちは
手ごろな価格で販売されている温室
(グローテント)を使用しています。
植物が育つ光の種類と量
アンスリウムは、
明るいけれど直射が当たらない光を好みます。
本来は熱帯の“木漏れ日の下”で育つ植物なので、
直射でも、なにかで遮光されていると調子がいいです。
一方で、直射日光(特に夏の西日) は
強すぎて葉焼けの原因になります。
葉が白っぽくなったり
茶色く焦げてしまうことがあるため、
直射は避けるようにしましょう。
逆に、光が極端に弱い・窓から遠い場所 では、
アンスリウムはうまく育ちません。
葉が細長くなったり、色が淡くなったり、
開花がほとんど見られなくなることもあります。
もし自然光が足りない部屋で育てる場合は、
LED育成ライトや、T5/T8蛍光灯のような手頃なライト で補光してあげるのが効果的です。
光量が安定すると、葉の張りや色つやがしっかり戻り、成長スピードも上がります。
▼照射時間など詳しい内容については以下の記事が参考になります。
準備中:アンスリウムが育つ光の種類と量
最適な温度・湿度
温度について:
まず温度は、20℃以上が理想的。
特に21〜26℃前後は成長が
もっとも活発になり、新芽の展開もスムーズです。
反対に、15℃を下回ると成長が止まり、
10℃以下ではダメージが出る ことがあります。
日本の冬は室内でも意外と冷えるため、
夜間の温度には注意しましょう。
◎ 成長・開花が活発 → 21〜26℃前後
○ じゅうぶん育つ → 18℃~
△ 成長停止ライン → 15℃付近
✕ 10℃以下 → 葉が黒くなる / 根が動かない / 枯れるリスク大
湿度について:
湿度は60〜80%が最適です。
一般的なアンスリウムなら60%前後で十分ですが、
70%以上あると調子が上がり、
葉が大きく、ツヤ・ベルベット感が出やすくなります。
ただし、湿度だけが高くなると
カビや腐れの原因になるため
湿度+風(サーキュレーター)
をセットで整えるのがポイントです。
◎ 70〜80% → “最高の状態”を維持
○ 60%前後 → 一般的なアンスリウムなら十分元気
△ 40〜50% → 葉先が乾く・新芽が固く縮む
✕ 30%以下 → 乾燥障害、芋が腐る、ハダニ被害増
▼詳しく知りたい方は以下で解説しています。
[準備中]アンスリウムに最適な温度と湿度について
アンスリウムに適した用土と鉢

このパートではアンスリウムに適した
用土と鉢について解説します。
用土と鉢で酸素供給を
上手くコントロールしましょう。
根が呼吸しやすい用土
アンスリウムはどんな土でも育ちますが、
おすすめの条件があります。それは
この植物はある程度成長すると
根が酸素を欲しがるため、粒の細かい土だと
呼吸が出来ず、成長鈍化の原因になります。
アンスリウムに適しているのは、
ココチップやパーライトなどを使った
荒目で通気性の高い用土。
配合の具体例や、
▼おすすめの素材は以下の記事で詳しく紹介しています。
環境に合った鉢の種類
用土と同じように
根に酸素が行きわたる鉢選びが大切です。
特に、スリット鉢は根が効率よく鉢内を回るので好き。
ルートプラスポットはとにかく通気性が高いなど、
それぞれにメリットがあります。
室内の湿度や置き場所によって、
最適な鉢の種類も変わります。
鉢の素材の違い、水はけを良くするコツ、サイズの選び方などは
以下の記事でくわしく紹介しています。
アンスリウムの水やりと肥料の基本

アンスリウムの水やりは、
“表面が乾いたら与える” が基本です。
根が常に湿っていると酸素不足になり、
水の吸い過ぎや根腐れになる可能性があるからです。
とはいえ、私自身は
「乾いていなくても週1〜2回」
のペースで水を与えることがあります。
理由は、シャワーのように
水をかけることで、
酸素を含んだ新鮮な水を根に届けたいから。
水やりは、愛する植物と向き合う
大切な時間でもあります😊
ただしこれは、
- 室温が十分にある
- 風通しが確保できている
- 根鉢が蒸れない用土
という環境が揃っている場合に限ります。
寒い季節、成長が止まっている時期は話が別。
温度が低い環境では植物は水を吸わないため
水やりの頻度を思い切って減らしましょう。
成長してないなら「乾かし気味」が正解です。
肥料は、春〜秋に薄めた観葉植物用液肥を与える程度で十分。
花を楽しむアンスリウムなら、リン酸(P)多めの肥料が開花を後押しします。
詳しい頻度やおすすめ肥料は、以下の記事でくわしく紹介しています。
→[準備中]アンスリウムの水やりガイド
アンスリウムの植え替え・株分け・繁殖

アンスリウムは
1~2年に一度の植え替えが必要になります。
品種によっては半年に1回の植え替え。
根が鉢いっぱいに広がると成長が鈍り、
葉が小さくなったり、調子を崩しやすくなります。
新しい用土に入れ替えることで、
通気性が回復し、根が強く伸びて
より大きく成長します。
株が大きく育ってきたら、
根元から出る子株(オフセット)を分けて増やすこともできます。
また、アンスリウムは、芋切りでクローンをつくることもできます。
レアなアンスの増殖でよく使われる方法です。
植え替えの適期は春〜初夏。
冬や真夏は根が弱るため避けましょう。
▼くわしい手順や株分けのコツ、失敗しないポイントは以下に
[準備中]アンスリウムの植え替え・繁殖完全ガイド









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